短句:2011年02月02日
過ぐ夏を 上目で見送る 蝉殻よ
幼子の 頬をうらやむ 三十路かな
雨音の タタラ 夜半に心地よく
潮風を恋しく思う夏便り
背伸びして 郷を指し見る展望台
魚屋の 鯖 むっちりと 尾を上げて
(年不詳 多分30代半ば頃と思う)
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旅立つ人よ
道はほの暗く 険しい
道連れは無く 手元の灯りもかぼそい
ふりかえれば 故郷の街が見えるが
君はそこへは戻れない
旅立つ人よ
旅は孤独なものだ
行き着く先もあやふやで
懐も心もとない
頼るよすがは己が足のみ
足が弱ればその手のみ
しかれども 旅立つ君よ
常に月と星は君の道をかすかに照らし
崩れる道から君を守るだろう
そして希望こそは
次の一歩への力へとなるのだ
(1997 3.22 for graduates)