短句:風:2010年09月27日
桜の花びらを水面に散らす風
竹林の中を駆け抜ける風
青々とした稲穂の波をかき分ける風
よどんだため池にさざ波を立てる風
雪と共に舞い踊る風
吹いて 吹いて 吹いて
どこから どこへと
いいえ 来し方行く末などどうでもいい
ただ 散らして 駆け抜け 踊って 去っていくだけ
吹いて 吹いて 吹いて
そして黙って 去っていくだけ
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水面に散った花びらが流されていく
普段はよどみ、くすんだ川に
悲しみも 苦しみも
決して忘れることはできない
でもあの花びらのように
慰めのひとときに出会うことがある
それがあるから 生きていける
よどみ 疲れ切った私でも