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小料理屋さつきの天井裏

「小料理屋さつき」では扱わない小ネタとかmixiからの転載等。

2013-07-02:娘の一番長い日

 久々に芸スポニュー速+板を見たら(普段はニュー速+しか見ない)、さだまさし氏のベストアルバムが出たというニュース。で、枚数が多めのベストアルバムを出すアーティストがここしばらく多いとの書き込みがあったり。

 さだ氏はファンじゃないけれど、トークの上手さと、曲と語りかけの融合という点で非常に尊敬している。で、自分が知っている曲のなかでは「親父の一番長い日」が一番好きだ。「天晴〜オールタイム・ベスト〜 さだまさし」で、この曲に投票した方のコメントを読む事が出来るのだけれど、自分も同じような意見。

 他にもメッセージ性の強い曲が多いなと思うんだけれど、個人的には、親を見送る子供はどういう想いかというのを曲にしていただければと。また、子供にどういう風に見送られたいかと。もしかしたら、既にあるのかも知れない。自分が知らないだけで。あるなら、知りたいなあ。

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 結婚した娘が実家に帰ってきた。孫達は段々大きくなっていく。自分の手を見る。娘と散歩をしたときしっかり握って娘を導いていた手が、いつのまに か、娘に手を引かれたり、支えられたり、孫達をなでる手になっている。自分の足も、家族を引っ張ろうと踏ん張っていたものが、いつしか、縁側からブラリと 垂れ下がっているだけになっている……孫達のなかに乙女の頃の娘の面影を見いだしたりする。いつかこの子達も娘のように羽ばたいて、時に戻ってくるのだろ う。そして、自分もまた、羽ばたいて羽ばたいて、でも、戻れないのだろう。

 娘もまた、父のなかにある「砂時計」の 砂が、確実に落ちていくのを感じている。弱気なところを見せなかった父が、咳をしたり、タメイキをついたりするたび、サラサラという時の砂を感じる。椅子 から立ち上がるときによろめく父の身体を支え、手を握ったとき、その手が自分が記憶していたものと何と変わってしまった事かと気づいて心が痛む。杖を買っ てあげようと言うと、父はそんなものはいらんと怒る。そう言うところは変わらないねとほほえんでしまう。父が最近風邪気味だと兄から聞いていたが、なかな か良くならない。気になってお医者さんに尋ねると……

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 個人的に思ってつらつらと書いてみた。ただ、さだ氏ご自身の体験からの曲になるだろうから、分からない。

 自分はこういう感じで父とゆっくり、分かれていきたかったけれど、あまりにも早かった。母の場合、C型肝炎と 分かった時点で手遅れで、肝ガンへ移行するのは「運命」に近かった。父のこともあり、「ガンになったら話そう/聞こう」と母と兄弟達で確認はあった。「親 父の時は出来なかったが、母上のときはあのときの後悔から学んだことをちゃんとやらんとあかんな」と自分は思っていた。でも、やっぱり現実を受け止める事 は出来なかった。また、ウツについてまだ分からない事が多く、自分自身も、母も困惑していた。その中で、夕方、彗星を双眼鏡で二人で見たり、一緒に旅行へ 行ったり、ご飯を食べたりTVを見ながら父の話をする事があった。でもやはり、現実は厳しかった。

 さだ氏はどういう風に父娘の永遠の別離を描くかは分からない。でも…… 聞いてみたい。「親父の一番長い日」と同じように、きっと、多くの人達の胸中に様々な想いを沸き起こさせる物になるに違いないと思うのだ。